呪われた皇女の結婚~敵国に嫁がせていただきありがとうございます!~
21 私の評判は最悪らしいです
 事実、私のせいでアレシュ様は倒れた。
 助かったのは、近くにシュテファン様がいてくれたからだ。
 大切な人を殺されかけて、冷静でいられないのは当たり前のことで、侍女に対して怒る気にはなれなかった。

 ――レグヴラーナ帝国にいた時と同じ。まだアレシュ様が理解してくださっただけでも、私は救われました。

 だから、私からアレシュ様に申し出た。

「身支度は自分でできます。今までもそうでしたから。でも、着替えだけはいただけますか?」

 帝国の皇宮でも、年老いた侍女が一人のみだった。
 それに――

「体がなまっていたので、ちょうどよかったです!」

 侍女はキョトンとした顔をした。

「こちらに来てから、ずっと身の回りのことを侍女たちがしてしまうので、とても退屈だったんですよ」

 私はようやく自由を手に入れたのだ。
 あの大勢の侍女も兵士もいなくなり、幽閉だってされていない。
 すっと両手を広げて、日差しを浴びる。

「自由……!」

 外の空気を目一杯、肺に吸い込んだ。
 なんて空気が美味しいのだろう。

「もう最高です! では、厨房を教えていただけますか? 身支度のためのお湯か水をいただきたいので……」
「ま、待ってください! それはちょっと困ります!」

 張り切る私を見て、侍女は慌てふためき、アレシュ様に助けを求める。
 そんなにいけないことだったでしょうか……
 私も同じようにアレシュ様を見る。

「わかった。俺が着替えと食事を持ってくる」

 アレシュ様がそう言うと、侍女は顔色を変えた。

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