呪われた皇女の結婚~敵国に嫁がせていただきありがとうございます!~
「遅くなり、申し訳ありません。私一人で用意したため、手間取ってしまいました」

 長い黒髪に黒目の侍女が立っていて、青色の制服を着ている。
 私と同じくらいの年齢の侍女は、とてもしっかりした雰囲気があった。

「ナタリー! あなた、水の宮の侍女でしょ!?」
 
 緑色の制服が風の宮、青色の制服が水の宮というように、色で働く場所がわかるようになっているらしい。
 ナタリーと呼ばれた侍女は淡々とした口調で答えた。

「シュテファン様から、お話を聞きました。アレシュ様が不届きな真似をし、毒の神から罰を受けたと」
「毒の神ですって?」
「レグヴラーナ帝国の第一皇女シルヴィエ様は、他国の人間でありながら、毒の神の加護を受ける尊き身だと聞いております」
「そんなの嘘よ! ドルトルージェ王家の人間以外で、神の加護を受けるなんてあり得ないわ!」

 毒の神の加護を受けているのは間違いないけど、とても珍しいことらしく、誰も信じていないようだった。

 ――私の苦しまぎれの嘘と思われているようですね。

< 159 / 263 >

この作品をシェア

pagetop