呪われた皇女の結婚~敵国に嫁がせていただきありがとうございます!~
 私の腕に傷がないか、確認している隙をつき、お兄様の剣を奪った。
 気づいた時にはもう遅い。

「ロザリエ! やめて!」

 その剣先は私へ向けられた。
 本を盾にし、体を逃がす。
 避けきれず、ロザリエの剣は本をかすめ、私の皮膚を()いだ。
 痛い――赤い血がパッと飛び散ったかと思うと、悲鳴が聞こえた。
 それはロザリエの悲鳴だった。

「きゃあああああ!」

 喉や胸を掻きむしり、苦しむロザリエの姿は、まるで毒を受けた人間のようだった。
 
 ――これが、私の呪いの力。

 血が原因だったのかと思ったけれど、私の血が付着したのは、ロザリエだけではなく、お兄様も同じ。
 だけど、ロザリエだけだった。
 私の呪いを受けたのは――

「ラドヴァンお……兄様……、助けて……」

 お兄様に助けを求め、ロザリエが血を吐き倒れる姿を見て、私は自分が本当に呪われた皇女であると自覚した。
 さっきまで、元気だったロザリエが、一瞬で苦しむ姿を目にしたら、認めざるを得ない。

「ロザリエっ! しっかりして!」
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