呪われた皇女の結婚~敵国に嫁がせていただきありがとうございます!~
 父上の隣に立ち、まるで同等の身分であるかのような振る舞いだった。
 そして、父上もそれを許している。

「ラドヴァンには任せられない」
 
 国を任せられない――そう聞こえた。
 不機嫌な顔で、父上は考え込む。
 
 ――俺とロザリエ、どちらを後継者にしようか考えているのか。

 まさか、ロザリエが選ばれるなどありえない。

「わたくしの娘を利用した挙げ句、敵国に奪われるなんて、あんまりですわ!」

 シルヴィエを一番疎んじていた皇妃が、父の同情を誘うため、図々しくも可哀想な女を演じる。
 
「最初から、シルヴィエを敵国へ置き去りにするつもりだったのではないかしら? 皇帝陛下の地位を奪うため……」
「父上の地位を奪おうとは思っていない!」

 すぐに否定したが、父上の表情は険しい。

「皇妃! 冷静に考えていただきたい。俺はずっと父上に認められたくて、すべてにおいて努力してきた。父上の信頼を失うほうが、俺には辛いことだ!」
「どうかしら。ロザリエが呪いを受けた時、血が飛び散ったにも関わらず、一緒にいたラドヴァン皇子は健康そのもの。シルヴィエの呪いをうまく利用しているのではなくて?」
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