呪われた皇女の結婚~敵国に嫁がせていただきありがとうございます!~
ここぞとばかりに不信感を煽る。
「あれは運がよかったというだけのこと……」
「嘘よ! それなら、私の体だって、こんな体になっていなかったはずよっ!」
呪いを受けてから、健康だったロザリエの体は弱り、調子の悪い日は車椅子で暮らす生活を送っている。
俺だけが無事で赦せないのだろう。
「お兄様の役立たずっ! 私の体をこんなふうにしたシルヴィエお姉様を殺せなかったなんてっ……! 私はっ……私は……!」
興奮したロザリエが咳き込んだ瞬間、赤い血を口から吐き出した。
「ロザリエ!」
ドレスが赤い血で染まり、ロザリエは青い瞳を見いて、吐き出した血を眺めた。
両手で受け止められなかった血が、床に落ち、絨毯の上に黒いシミを作る。
「ああ、ロザリエ……。落ち着いて。興奮するから……」
皇妃が差し出した手をロザリエは拒絶し、振り払った。
「これはお兄様のせいよ……。お兄様のせいなんだからっ……」
きっと計画が上手くいったとしても、俺はシルヴィエだけは殺せなかっただろう。