呪われた皇女の結婚~敵国に嫁がせていただきありがとうございます!~
 俺を冷たい目でにらむ父上は、ロザリエしか自分の子と思っていないのだとわかった。

「もう一度だけチャンスをやる。お前が計画したとおり、アレシュ王子を殺し、シルヴィエを始末しろ。それができたなら、次期皇帝として考えてやろう」
「……感謝します。皇帝陛下」

 父と呼ぶことを許されず、遠くなった皇帝の座。
 大臣たちの話し声が聞こえてくる。

「やはり、ラドヴァン様が皇帝になることはなさそうだな」
「敵国から無事戻ってこれまい」

 ――ロザリエはなにを考えてる。

 政治もなにもわからないくせに、国を治めるつもりか?
 そんなことができるとは思えない。
 血まみれのドレス、青白い顔、体力的にも無理だ。

「これから、皇帝陛下と今後について話し合わねばなりません」
「ラドヴァン様。退出願います」

 大臣たちは俺を追い出し、広間の扉を閉めた。
 今までなら、あの場にいたのはロザリエではなく、俺だったというのに、同席すら許されない。
 
「まだ終わっていない。俺が皇帝になるためには、アレシュを殺し、シルヴィエを始末すればいいだけだ」

 ――俺にできるのか? シルヴィエを殺すなど……

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