呪われた皇女の結婚~敵国に嫁がせていただきありがとうございます!~
「シュテファン様とアレシュ様の宮では、まったく雰囲気が違いますからね。幼い頃から、王宮を抜け出して旅をしていたせいで、侍女たちの規律が緩いんです」
「それに関しては、反論のしようがない」
「でしょうね」

 アレシュ様と幼馴染みで、振り回されてきたというカミルは、旅に出るたび、その後ろを追いかけていたそうだ。

「カミルもそうですが、王宮にいる方々は、王家との繋がりも深いです。ですから、アレシュ様。彼女たちの気持ちを汲んで差し上げてください」
「多少なら」
 
 王宮にいる侍女たちは、母親や祖母が王宮付きの侍女をしていた者が多い。
 憧れて王宮の侍女を目指す。
 ドルトルージェ王国において、神々の加護を受けた王族は畏敬(いけい)の対象であり、とても慕われている。
 敵国の皇女が、アレシュ様を殺そうとしたという噂を聞いて、嫌悪感を持たれてしまうのも当然のこと……

「侍女として、未熟なせいです」

 そう言ったナタリーは、シュテファン様に絶対の忠誠心を持つ。
 今回の旅も水の宮を離れたくないようで、渋っていたけれど、シュテファン様からお願いと一言、言われただけで、すぐに承諾した。
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