呪われた皇女の結婚~敵国に嫁がせていただきありがとうございます!~
 ナタリーは黙々と仕事をこなし、とても真面目な侍女で、同伴してくれて助かっている。
 その仕事ぶりには、私も信頼を寄せていた。
 彼女は髪をまとめるのも上手で、ドレスのコーディネートも完璧。気が利き、日差しの強い時はパラソルを持参し、必要とあらば、パラソルをさす。

 ――むしろ、ナタリーに隙があるのを見たことがありません。 

 無表情のナタリーが、笑顔になったり、感動する姿を見たくて、さりげなく観察しているけど、今のところ一度も目にしていない。

「着いたぞ」
「水の神の廟がある村だ」

 深い森の中、突如現れる村。
 湖に流れ込む水の量は多く、滝や川が音を立て、白い飛沫を覗かせる。
 その川を利用した水車がいくつもあり、村人たちが製粉作業をしている。
 のどかな森の村は、平和そのものだった。

「アレシュ様だぁ!」
「ほんとだ!」
「カミルもいるぅ」

 子供たちが歓声をあげ、走ってきた。

「僕だけ呼び捨て……」
「落ち込むな。親しみがあるってことだろう」

 アレシュ様の人気は、どこへ行っても高く、すぐに人が集まってきた。
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