呪われた皇女の結婚~敵国に嫁がせていただきありがとうございます!~
 大人たちも出迎えに駆け付け、そして、廟の前には、水の神に仕える大司教様が私たちを待っていた。

「王太子妃となられたシルヴィエ様が、毒の神の加護を授かっていたとお聞きしました。まことに喜ばしいことであり、ドルトルージェへ嫁がれたのも縁あってのことかと思います」

 大司教様は風の神の化身であるヴァルトルにに深々と頭を下げた。
 ヴァルトルはアレシュ様の腕に止まり、堂々としている。
 もちろん、ヴァルトルは口を利けず、なにを考えているか、わからない。

「廟を巡るのは、何度巡っても良いと聞いております。この先、何度もお邪魔することになります。よろしくご指導くださいませ」
「滅相もございません」

 神々の廟を巡り、祈りを捧げるのは王族だけでなく、国民も同じで、廟を巡る旅は新婚旅行や家族旅行にも人気のコース。
 廟を巡る旅は、自然に多くの国民と出会い、会話をしたり、挨拶をしたり――私への態度も旅が進むにつれ、よそよそしさが消えていった。
 まだまだ続くけれど、廟を巡る旅をしてよかったと思う。
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