呪われた皇女の結婚~敵国に嫁がせていただきありがとうございます!~
「なにがあったかわからんが、すぐに行こう。ヴァルトル!」
アレシュ様の声を聞いたヴァルトルが、空から急降下し、腕に戻る。
「アレシュ様! なりません。もし、伝染病であればどうします! 危険です」
カミルは絶対に行かせないという気迫を見せた。
それは他の騎士たちも同様で、アレシュ様は強行突破しようとしたのを、腕を掴み、その場に押しとどめた。
「シルヴィエ」
「私が参ります。毒の神様に、私は守られていますから、どんな病気もかかりません」
「だが、一人で行かせるわけにはいかない」
「平気です。私はドルトルージェ王国の民を信じています。出会った民たちは、私を王太子妃と呼んでくれました。だから、私もその名に恥じぬよう王太子妃としての役割を果たさせてくれませんか?」
旅の途中で出会った民は、本当に親切だった。
敵国から嫁いできた私にも偏見の目を向けることなく、話しかけてくれた。
あの笑顔の名は、『期待』だ。
「私にくれた笑顔のお返ししたいのです」
アレシュ様の体から、力が抜けたのがわかり、腕を解く。
そして、村人に言った。