呪われた皇女の結婚~敵国に嫁がせていただきありがとうございます!~
 聖句が終わった瞬間、銀色の蛇が二匹に分裂したかと思うと、そのうちの一匹の蛇は本物の蛇だった。
 大司教様は騒がず、静かに頭を垂れた。

「先日は子供たちを助けていただき、ありがとうございました」

 まずは、お礼を述べた。
 私が本来持っている力ではなく、神様から力をお借りしたものだからだ。

「毒の神様。どうか私と一緒に来ていただけませんか? そして、そのお力を人々のために、お借りできないでしょうか?」

 銀の蛇は右に左に動き、悩んでいる様子だった。

 ――うわぁ、とっても可愛いですね。もしかして、恥ずかしがり屋さんとか?

 蛇といえど、銀細工のように美しく、小さくて可愛らしい、
 生き物はミミズから小鳥まで大好きな私。
 今すぐにでもナデナデしたいところだったけど、それをぐっとこらえた。

「あの……。もし、恥ずかしいのであれば、私の髪に隠れてはいかがでしょうか。同じ銀色ですし、わからないと思います」

 ハッとしたように、蛇は振り返る。
 どうやら、本当に恥ずかしがり屋だったようだ。

「どうぞ」

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