呪われた皇女の結婚~敵国に嫁がせていただきありがとうございます!~
 しゃがんで高さを合わせると、表情がないはずの蛇がにっこり笑った気がした。
 銀の蛇は美しく、しゅるしゅるとリボンのようになり、私の髪飾りの一部となって収まった。

「毒の神様。これから、よろしくお願いしますね」

 無事、毒の神様を連れていくことができた私を見て、大司教様が近づく。

「シルヴィエ様。蛇は毒の神の化身。神の一部でございます。区別するためにも名前を与えては、いかがでしょうか。お互いの絆が、より深まります」
「そうですね……。えっと……」

 アレシュ様はヴァルトル、シュテファン様はゼレナと、それぞれ名付けていたのを思い出す。
 同じ名前では困るから――

「では、レネ。毒の神様の名を私はレネと呼びます」

 その瞬間、私と毒の神様の間に契約が結ばれた。
 強力な契約の力は、その条件を私の頭の中に記した。

『命を失ったなら、毒の神の加護は消える』
『他国の侵略に、毒の神の力を使ってはいけない』

 その二つは絶対の契約。
 頭の中に、魂に、契約が刻まれる。
 破れば、その代償に死ぬ――それを瞬時に理解した。

< 199 / 263 >

この作品をシェア

pagetop