呪われた皇女の結婚~敵国に嫁がせていただきありがとうございます!~
レネは一度だけ、ひょこっと顔をあげ、また髪飾りの中へ埋もれた。
「使者のお話とはなんだったのですか?」
アレシュ様とカミルの難しい顔が気になった。
「レグヴラーナ帝国の後継者から、ラドヴァンが外されたかもしれない」
「お兄様が……」
「驚かないのか」
「ええ」
私は幽閉されていたとはいえ、お兄様とお父様の不和に気づいていた。
お父様がなぜ、ロザリエを一番愛したか。
そこにすべての答えがある。
王宮を去らない年老いた侍女、お父様と似ていないお兄様――以前から、違和感を感じていた。
優秀なお兄様が、なぜお父様から愛されないのかと。
今までは、私がいたから、お父様のお兄様に対する冷遇が目立たなかったけれど……
「シルヴィエ?」
「……そうですね。お父様はロザリエを気に入っていますから」
「誰が後継者でも構わないが、帝国内が荒れるのは困る。正直、ロザリエ皇女に国を治めるだけの力はないと思う」
アレシュ様の見解は間違っていない。
ロザリエは勉強嫌いだったし、体も弱い。
せめて、体力的な問題だけでも解決できたら――
「アレシュ様」
「ん?」