呪われた皇女の結婚~敵国に嫁がせていただきありがとうございます!~
 俺がドルトルージェ王国へ行けと命じられたのは、遊びや旅行のためではない。
 前回の失敗を取り戻すためだ。
 アレシュの暗殺を成功させなければならないとわかっている。
 だが、成功させたところで、父上は本当に俺を次期皇位継承者に戻すつもりがあるのだろうか。 

 ――自分の子供の中で、父上はロザリエのみを愛している。

 ロザリエが健康であるアピールをするため、ドルトルージェ王国へ行かせるつもりなのだ。
 貴族たちが反対する大きな理由のひとつが、ロザリエの体の弱さだ。

「ロザリエはドルトルージェ王国に行って、どうするつもりだ?」
「決まっているでしょ。お姉様の惨めな姿を見たいの。噂では、アレシュ様と仲良く新婚旅行に行ってるって聞いたわ」

 それは俺も聞いた。
 聞き間違いではないかと思ったが、ドルトルージェ王宮に、スパイとして送り込んだハヴェルも同じことを言っていた。

「お姉様が私の体をこんなふうにしたのって、ドルトルージェ王宮で言ったら、どうなると思う?」
「恐ろしい人間だと思われ、帝国へ戻されるだろうな」
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