呪われた皇女の結婚~敵国に嫁がせていただきありがとうございます!~
「そうでしょう? 結婚して新婚旅行までしたのに離縁されて、お姉様は帝国へ帰るの。二度と求婚者なんて現れないわ」

 ロザリエはなにが可笑しいのか、ずっと笑っていた。
 俺は笑えなかった。
 心から、シルヴィエに戻ってきてほしいと思っているのは、きっと俺だけだ。
 ここに戻ってもシルヴィエは不幸になるだけで、父上たちは以前より厳しい境遇に置くだろう。

「ねえ。ラドヴァンお兄様。一日一回はこうして散歩してほしいの」
「ああ」
「それから、夕食は一緒のテーブルで食べるのよ」
「わかった」

 適当に返事をする。
 俺が自分の思いどおりになるのが、よほど嬉しいのか、ロザリエは満足そうだった。
 妹に気を遣い、妃の嫌みに耐える毎日。
 父上は自分を『父』と呼ぶことを禁じ、声すらかけない。
 
「ロザリエ。散歩の時間は終わりですよ。部屋へ戻って休みましょう」

 皇妃がロザリエを呼び、がっかりした顔をしていたが、体調のほうは、あまりよくないのか、素直に戻ることにしたようだ。

「じゃあ、お兄様。夕食の時にね。ドルトルージェ王国へ旅行に行くのを楽しみにしているわ」
「本気で一緒に行くつもりか?」
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