呪われた皇女の結婚~敵国に嫁がせていただきありがとうございます!~
 皇帝としての『仕事』として、俺に接し、ロザリエの前では親の顔だったのだ。

「これでわかったでしょう? あなたに皇帝になる資格はないのよ。父親が誰なのかさえ、
わからないのに」
「でも、安心して。お兄様を皇宮から追い出さないでいてあげる。私にずっーと従ってくれたらね!」
「ラドヴァン。よかったわねぇ」

 あまりの衝撃に、なにも言えなくなった俺の横を二人は笑いながら去っていった。
 
 ――なぜ、父上は母上の不貞を教えてくれなかったのか。

 皇子であるのに、冷遇されていた理由を知ったが、そうだったのかと納得する自分がいた。
 どんなに頑張っても褒めることのなかった父上。
 俺とロザリエの待遇の差。

 ――俺は誰の子だ。 

 暗い影が落ちる回廊を歩き、部屋へ向かう。
 部屋へ向かう途中で、シルヴィエのところにいた老いた侍女とすれ違った。

「待て。聞きたいことがある」

 侍女が足を止めると、誰もいない回廊はしんっと静まり返った。
 雨が降り始めて、緑の葉を叩く。

「お前が以前、言っていた自分の罪とは、俺に関することか」

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