呪われた皇女の結婚~敵国に嫁がせていただきありがとうございます!~
 これでは、風の宮の侍女に声をかけづらい…… 
 そう思っていると、たたたっと小さな足音がして、明るい声が響いた。

「ナタリー! おかえり!」

 ぎゅっとナタリーに抱きついたのは、シュテファン様だった。

「シュテファン様っ……! もう十歳ですよ? こんな子供のような……。また身長が伸びたのではありませんか?」
「変わってないよー。一ヶ月くらいじゃ、そんな伸びないって」
「一ヶ月もです!」
「うん。僕のお願いをきいてくれて、ありがとう、ナタリー」

 シュテファン様は、ナタリーの頬にちゅっとキスをする。
 その瞬間、ナタリーが倒れ、動かなくなった。

「ナタリー!? ゼレナ! ナタリーを助けて!?」

 シュテファン様が慌てて、ミドリガメのゼレナ……いえ、水の神の化身であるゼレナを取り出したけど、あれはちょっとした発作だから、癒しの力は必要ないと思う。
 幸せそうな水の宮の二人を眺め、そして、私は風の宮の侍女に視線を戻す。

「そうですね。では、風の宮の侍女たちには、私からの罰を受けていただきます」

 びくっと侍女たちは身を震わせた。
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