呪われた皇女の結婚~敵国に嫁がせていただきありがとうございます!~
 ハヴェルの黒髪に埋もれた青い目が、優しく私を見つめていた。

「見事な庭だ。父上も褒めていたが、腕は確かだな」
「王宮すべての庭を任せていただき、感謝しております」

 一ヶ月の間に、ハヴェルは信頼を得て、王宮の庭をすべて管理できるようになっていた。
 
「聞いたところによると、シルヴィエ様は薬草にも興味があるとか」
「ええ。解毒薬や薬の研究をしていけたらと思っているんですよ」

 毒の神の力を生かし、医療院で働く薬草師を目指すつもりだった。
  
「お望みなら、薬草園を作ることも可能です」
「シルヴィエのために、薬草園を作ってくれ。きっと役にたつだろう」
「アレシュ様、庭を使ってもよろしいのですか?」
「風の宮の女主人だ。ヴァルトルがとまる木さえあれば、あとは好きにしてもらって構わない」

 最大の贈り物をいただいた気分になった。
 では、畑をおねがいしましょう!
 そう思ったけど、庭に用意された立派なお茶会の様子を見たら、言い出せなかった。
 国王陛下と王妃様が待つお茶会の席は、ガラスの水差しにいっぱいに花が飾られ、果物のタルトが何種類も用意されている。
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