呪われた皇女の結婚~敵国に嫁がせていただきありがとうございます!~
 貴族たちに認めさせる必要があるのはわかるわ。
 でも、体の弱い私に、お父様は無理をさせないで欲しい。
 無理をすれば、血を吐き、苦しむのに、お父様は私の辛さを理解していない。
 お兄様を私の補佐として、ドルトルージェ王国行きに同伴させたのは、お父様の判断だった。
 
『お前一人で国境へ戻れ』

 それが、お父様から内密に伝えられている言葉だった。

 ――まさか、お父様はお兄様を殺すつもり?

 敵国で皇子が命を落としたとなると、攻め込む理由になるし、貴族たちも死んだお兄様を皇帝になんて、言えなくなる。
 お父様にとって、好都合なことばかり。
 私が気づくくらいだから、お兄様も気づいているはずだった。
 でも、お兄様は一言もそれを口にしなかった。

 ――きっと私の体を心配したのね。だから、罠とわかっていても一緒に来てくれたんだわ。

 お兄様は私が助けてあげる! 
 そして、お兄様は助けた私に感謝して、一生、私の補佐として、そばにいて生きていくの。

「ロザリエ? 挨拶をしなくていいのか?」

 お兄様が、私を呼んでいることに気づき、慌てて顔を上げた。
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