呪われた皇女の結婚~敵国に嫁がせていただきありがとうございます!~
 スパイを放ったお兄様が、スパイされるなんて笑っちゃうわ。
 だから、お姉様の行動もだいたい把握済み。
 難しい話はよくわからなかったけど、新婚旅行は楽しかったらしい。
 
 ――本当に気に入らないわ。一ヶ月も遊び回る旅行なんて、私でさえしたことないわよ!

 でも、それがお姉様にとって、弱点となることに、まだ気づいていない。
 一ヶ月も新婚旅行で不在だったお姉様。
 貴族令嬢たちのほうまで、信頼を築く時間がなかったようで、同じ年頃の令嬢たちは、お姉様を遠巻きに眺めている。

 ――数々のパーティーで鍛えた私の社交術を披露する日が来たわね!

「お兄様。同じ年頃の令嬢たちと、おしゃべりがしたいの。呼んできてくださる?」
「わかった」

 お兄様がドルトルージェ王国の令嬢たちに挨拶をする。
 結婚相手を探す場でもあるパーティーは、彼女たちのお目当ては私というより、お兄様。
 それが気に入らなかったけど、お姉様の悪口を吹き込むには、利口でない令嬢のほうがよかった。
 令嬢たちはミツバチのように、お兄様に群がり、私の元へやってきた。

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