呪われた皇女の結婚~敵国に嫁がせていただきありがとうございます!~
 第二王子のヴァイオリンが加わり、二人が演奏する姿を国王陛下と王妃、アレシュ様が眺めて微笑んでいる。
 それは、あたたかい家族の姿だった。

「シルヴィエが幸せでよかった」

 お兄様がそう呟くのが聞こえたけど、今のはお兄様の演技よね?
 思わず、吹き出しそうになった。
 帝国の人間で、お姉様の幸せを願う者などいない。

「ええ、そうね。#今は__・__#幸せそうね」
 
 すぐに引きずり落としてやるんだから!
 そう思いながら、お姉様の演奏が終わるのを待った。

「シルヴィエ様は薬草の知識もお持ちですのよ」
「頭痛に悩んでいた侍女に気づき、薬草を煎じ、症状を改善させたとか」
「お優しい方ですのね」

 お姉様は着実に、ここドルトルージェで信頼を得ている。

 ――なんなの……! うまくいかないわ!

 演奏が終わったお姉様は、優雅なお辞儀をしてから、こちらへやって来た。

「お待たせしてしまって、ごめんなさい」

 お姉様の演奏を聞きたい招待客が、残念そうにしていたけれど、それを申し訳なさそうに断り、私との会話を優先する。

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