呪われた皇女の結婚~敵国に嫁がせていただきありがとうございます!~
 お父様は今ごろ、私から親しい侍女たちを遠ざける算段をしているだろう。

「心配してくれて、ありがとう。私はこれから、ロザリエのために祈りを捧げます。ロザリエに呪いを与えたのが、私を呪った神ならば、きっと、私の近くにいらっしゃるでしょう。回復を願えば、聞き届けてくれるかもしれません」
「シルヴィエ様……」
「お父様のご不興を買ってはいけません。ここにも無断で、近寄らないよう気を付けてください」

 侍女たちは泣いていたけど、私は微笑んだ。

「ロザリエが回復したら、お父様も冷静になります。様子を見て、お兄様がなにがあったか説明してくれるでしょうから、私も元の生活に戻れます。だから、心配しないでください」

 侍女たちにはそう言ったけど、私はきっと戻れない。
 お父様が赦すはずがないと、わかっていた。
 でも、侍女たちの気持ちを考え、そう言った。
 侍女たちの話によると、お兄様はずっとロザリエに付きっきりで看病されているとか。
 私にできることは、ただひとつ。

 ――ロザリエの回復を祈るだけ。

 ひたすら、回復を願い、祈りを捧げた。
 呪いを軽減してもらえるように。

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