呪われた皇女の結婚~敵国に嫁がせていただきありがとうございます!~
「いつまで、シルヴィエ様は祈りを捧げるのでしょう」
「ロザリエ様が悪いのに、なぜシルヴィエ様が……」

 ロザリエが剣を奪い、私を切りつけたのを見ていたのは、私の側付きの侍女たちとお兄様だけ。
 私を庇ってくれるのは、彼女たち以外、皇宮には存在しなかった。
 
「せめて、水を口にしてください。倒れてしまいます」

 私を気遣い水を運んできてくれた侍女たちは減っていき、気がつくと、私の回りから侍女がいなくなっていた。
 最後の一人が、私のところへやってきて、お別れの挨拶を口にする。

「シルヴィエ様。私も田舎に帰ることになりました。他の侍女たちも皇帝陛下の命令によって、解雇されました」

 お母様でさえ、嫌がって近づかなかった私を幼い頃から、お世話してくれた侍女たちだった。
 肉親同然。
 でも、私には彼女たちを助けてあげられる力はなかった。
 今では、お父様の指示で、窓と扉に鉄格子がつけられ、罪人扱いを受けている。

「刺繍したハンカチをあげると約束したのに、差し上げられませんでしたね」

 私の血が付いたハンカチは、呪いを恐れて燃やされ、刺繍も無駄になってしまった。

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