呪われた皇女の結婚~敵国に嫁がせていただきありがとうございます!~
「わかってるのよ。これは毒でしょ?」
「違います! 試作品ではありますが、完全な解毒までいかなくても、改善にはなったはずなんです!」

 お姉様の悲痛な声に、ドルトルージェ王国の令嬢たちがいたわるように、近づいてきた。

「シルヴィエ様。破片で怪我をなさいますわ」
「あちらで、お茶を飲みましょう」
「きっとロザリエ様は気分がよろしくないのですよ」

 ちやほやされるお姉様を目の前で、見せつけられて、気分は最悪だった。

「みなさん。お姉様に騙されないほうがよろしくてよ? 私の体をこんなふうにしたのは、お姉様なんですの」

 令嬢たちが驚き、お姉様を見る。

「毒の神の力を利用し、私を殺そうとしたのよ!」

 しんっと静まり返った。
 令嬢たちは青ざめ、私とお姉様を交互に見る。

「違います。私に悪意はなく……」
「お姉様が毒の神に命じて、私を殺そうとしたくせに、嘘をつくの?」
「まだ、その頃は毒の神様が、加護してくださっているとは知らない頃です」

 お姉様は困った顔をして否定したけど、令嬢たちは私とお姉様、どちらを信用するか迷っている。
 ここでお兄様が、昔と同じく、私に味方すれば、お姉様の信用は消え、この国で尊敬されることもなくなる。

「お兄様からもおっしゃって。お姉様が毒の神の力を使って、殺そうとしたことを」 
「お兄様……」

 ――残念だったわね、お姉様。ここでも嫌われて疎まれる運命なのよ!

 今までずっと黙っていたお兄様が、口を開いた――
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