呪われた皇女の結婚~敵国に嫁がせていただきありがとうございます!~
「ロザリエ。お前の部屋にある植物は、空気を清浄にするものだと知っているな? あれは、幽閉中のシルヴィエが研究し、育てていた植物だ」
「お姉様が?」
「お前の症状を軽くできるのも、シルヴィエが呪いを受けた兵士たちと長年やり取りしていた成果だ。それがなかったら、お前はもっと苦しんでいた」

 ロザリエには伝えられていなかったのか、初めて知ったという顔をしていた。
 割れた茶色の小瓶の破片を眺め、ロザリエは震えていた。 
 貴重な薬は土の上にまかれて、元には戻らない。
 この薬を必要とする人は、他にもいたのに……
 土を踏む音がして、顔を上げると、そこにはアレシュ様がいた。

「ひどいことをする」
「アレシュ様……。貴重な薬を無駄にしてしまい、申し訳ありません」
「いや、シルヴィエに怪我がなくてよかった」

 騒ぎを聞きつけたアレシュ様が、やってきて、険しい表情で割れた瓶に目をやる。
 破片を手にとり、残念そうな顔をした。
 この薬の素材は、どれも簡単に手に入らないものばかりだった。
 医療院に理由を話したら、快く譲ってくださったのだ。

「ロザリエ。せめて謝罪を」

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