呪われた皇女の結婚~敵国に嫁がせていただきありがとうございます!~
 ここで、本当にお兄様が皇帝になるのを諦めてしまったら、貴族たちの反発により、内乱が起こる。
 
「なんだ。ラドヴァンは皇位継承争いに負けたから、姿を消し、なにもかも終わりにするつもりだったのか?」

 珍しく、アレシュ様は意地悪な顔をしていた。

「王になろうという人間が、簡単に諦めてどうする」
「なにが言いたい」
「俺は諦めが悪いほうだ。王は諦めが悪いほうがいいんだ」

 アレシュ様は空を仰ぐ。
 空には鳥が数羽飛んでいる。
 騒がしい鳥たちに、アレシュ様は目を細めた。

「皇帝の地位を諦めていいのか? 貴族たちは皇都に攻めこもうと、兵士を集めているぞ」
「なぜ、それがわかる」
「情報収集は俺の得意分野だ。ここで抑えないと内乱が起きるのは間違いない」

 お兄様に迷いが見えた。
 貴族たちと交流があるお兄様は、以前より内乱の兆候を察していたはずだ。
 でも、それを止めるためには、皇位継承権を取り戻さなくてはいけなかった。
 貴族たちの要求は、ロザリエではなく、お兄様の即位なのだから。

「お兄様。王とは資質です。お父様とロザリエに、王の資質がありますか?」
「王の資質か」

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