呪われた皇女の結婚~敵国に嫁がせていただきありがとうございます!~
 私の言葉を噛み締めるように、お兄様は青い瞳を閉じた。
 そして、目を開ける。
 目を開けた時、お兄様の視線の先にいたハヴェルは姿を隠し、いなくなっていた。
 ハヴェルはお兄様を皇子として扱っている。
 自分の子であるとは、思っていない。
 思っていたなら、名乗り出たはずだ。 
 確証がないからこそ、お父様はお兄様を冷たく扱うことしかできなかったのだ。
 
「ラドヴァン皇子。民のためにも、皇帝になることを選ぶべきだ。今の皇帝と妹では、無理だとわかっているだろう? 支援はできる」
「ドルトルージェ国王陛下……」

 お兄様は深く頭を下げた。

「度重なる帝国の非礼をお詫び申し上げます。そして、我が国への助力、感謝いたします」

 国王陛下はアレシュ様に視線を送る。
 アレシュ様はうなずき、拳を握り、胸の前に置く。

「国王陛下。レグヴラーナ帝国侵攻を止めるため、風の神の力を行使する許可をいただけますでしょうか?」
「許可する。帝国の侵攻を止め、ラドヴァン皇子を助けるように」
「おまかせください」

 アレシュ様は楽しげに笑い、私を見る。

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