呪われた皇女の結婚~敵国に嫁がせていただきありがとうございます!~
「ヴァルトルの力を使ってみたいと思っていたところだ」
「『目』だけではないのですか?」
「もちろん。なんなら、シルヴィエも一緒に来るか? レネの力の使い方を覚えておいても損はない」

 レネの力――そういえば、使おうと思って、使ったことがなかった。
 ヴァルトルが戻り、アレシュ様の額に自分の額をつける。

「国境から、レグヴラーナ帝国の兵が移動している。ロザリエ皇女を迎えに来た皇帝も一緒だ」

 ヴァルトルの力のひとつ、『目』で見たのは、国境を越えたレグヴラーナ帝国の兵士たちとお父様。
 敵国に残された私とお兄様の処刑を期待しての行動だった。
 お父様は後継者であるロザリエだけを助ければいいだけ。
 邪魔な存在は敵国が処分してくれる。
 お父様の考えが、手に取るようにわかる。

「お兄様。お父様は私たちを捨てました。もう遠慮はいりませんね」
「そうだな」

 お兄様は自分に従って、残った兵士と侍女を見る。

「貴族たちに使者を送る。父に代わり、皇帝に即位すると伝えよ」

 青い瞳は帝国の方角を見つめていた。
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