呪われた皇女の結婚~敵国に嫁がせていただきありがとうございます!~

「だから、なんだ」

 青い瞳が氷のように冷たい。
 お父様は私がなにを話そうが、最初から受け入れるつもりは、少しもないのだとわかった。

「お前が忌まわしい呪いを受けた身でなければ、ロザリエが苦しむことはなかったのだ! 呪われた娘め!」

 突きつけられた指先、憎しみのこもる目。
 でも、今、ひとつの事実がはっきりした。

「では、お父様は私がロザリエから剣を向けられ、切られたことは認めるのですね?」
「なんだと」
「今、お父様は否定なさいませんでした。『だから、なんだ』とおっしゃられた」

 お父様は自分が優位に立っているから、油断している。
 目の前にいるのは、十六歳の小娘。
 侮り、なにもできないと思い、一方的に罪を押し付けようとしたのだ。
 ロザリエは悪くない、私が悪いのだと認めさせ、自分を正当化し、殺してしまうつもりだ。

 ――死ぬのだけは、回避しなくては。

 その思いから、私は顔を上げ、まっすぐにお父様を見つめた。

「お父様は侍女を解雇し、事実を曲げ、私に罪を着せようとしていらっしゃるのでは? 皇帝陛下として、公平な処罰を与えてくださるようお願いいたします」

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