呪われた皇女の結婚~敵国に嫁がせていただきありがとうございます!~
5 お引き取りください。お兄様。
 ――私の自由はなくなった。

「一生幽閉……」

 皇女としての幸せも望めず、皇宮から一歩も外へ出られない。
 皇宮の片隅だけが、私の居住場所と決められてしまった。

「普通の人間なら、気が狂うだろうな」
「食事も下働き以下のものだそうだ」

 出入り口を固める監視の兵士たちが、そんなことを言っていたけど、私は違った。

「ここの土地、すべてが私のものになったんですね」

 畑とハーブ園、それから井戸。利用できる草木も多いし、土には太いミミズがいたのを確認済み。

「ミミズがよく育つということは、豊かな土だという証拠だと、本に書いてありました! 大事なのは土! 土づくりからなんですよ!」
 
 すでにイモ、ハーブは増産済み。
 そして、外でお茶を楽しめるよう設置した石材のテーブルと椅子。
 帆布で作ったタープが風に揺れている。
 これらすべてが、私の物になるとは思ってもみなかった。
 感動のあまり両手を胸の前に組み、目をキラキラ輝かせてしまった。
 今までの狭い部屋と大違い!

「私、これで財産持ちになりました……! 広い庭付きの部屋なんて贅沢ですね!」

 兵士たちがひそひそと話している声が聞こえた。

「財産!? いや、ただのゴミじゃ?」
「落ち着け。あれは、ただの強がりかもしれない」
「あ、ああ。そうだよな。そうに決まってる」

 与えられたドレスは、以前よりずっと粗末なものだけど、逆に動きやすくて助かるし、部屋は自分好みに改造できる。
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