呪われた皇女の結婚~敵国に嫁がせていただきありがとうございます!~
 俺の苦笑、隣のカミルの引きつった笑み、それらに気づく様子はない。
 ロザリエ皇女はよほど自分に自信があるらしい。
 
「ロザリエ。他の者たちが、話したくて待っているぞ」

 俺たちの微妙な空気を察したのは、ラドヴァンだ。
 妹への態度に違和感を抱いた。

 ――次期皇帝のラドヴァンが気遣うほど、ロザリエ皇女の立場は強いのか?

 皇帝陛下のお気に入りだと聞いてはいたが、不自然なまでに、ラドヴァンは従者のように付き添っている。

「アレシュ様。後から、ダンスを誘っていただけるかしら? 体が弱いから、少ししか踊れないけれど、アレシュ様は特別よ」

 断られることをまったく考えていない。
 こちらの返事も待たずに、笑いながらロザリエ皇女は去っていった。
 ラドヴァンのほうは、ロザリエ皇女のそばにいて、招待客への非礼をフォローして回っている。

「なんというか、その……。強烈な皇女ですね」
「ああ。カミル、後は任せる」
「えっ!?」
「俺があの皇女とダンスを踊るところを見たいか?」
「いえ。それで、アレシュ様はなにをしに?」

 カミルに笑い、声をひそめた。

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