呪われた皇女の結婚~敵国に嫁がせていただきありがとうございます!~
 崩れ落ちた兵士たちを見下ろし、夜空を見上げた。
 空から見た銀髪の少女がいるのは、この先である。

「誰も来ない場所か……」

 まるで、閉じ込められているようだ。
 いや、閉じ込められているのだ。
 通路に鉄格子があった。
 先に進む前に、庭園の庭に咲く花を摘む。
 そこにいるのは、俺の予想が正しければ、第一皇女シルヴィエ。
 部屋の窓から灯りがこぼれ、庭に接する廊下を照らす。
 同じ皇宮で、華やかな誕生パーティーが開かれているとは思えないくらいの差。
 それは、小さく頼りない灯りだった。
  
「ん……? 畑?」

 立派な畑が広がっている。
 
「パン焼き窯?」 

 趣味の域を超えた出来栄え。
 シルヴィエ皇女はいったいここでなにをしているんだ……?

「閉じ込められているのは間違いなさそうだが」

 窓と扉には鍵がついた鉄格子がある。
 鍵がかかり、部屋へ入れないようになっていた。
 夜風に乗って届く楽の音を聴いているのか、窓が少しだけ開けられている。
 窓のそばにいたのは、銀髪の少女。
 ショールを羽織り、寝間着姿で本を読んでいた。

「シルヴィエ皇女殿下」

< 53 / 263 >

この作品をシェア

pagetop