呪われた皇女の結婚~敵国に嫁がせていただきありがとうございます!~
一度だけ、振り返った皇女の部屋は、外に零れる灯りすら頼りない。
第二皇女ロザリエがいるパーティーの広間は、夜空を焼くほどの光だというのに――楽隊が奏でる音楽が止む。
パーティーが終わり、招待客たちは皇宮を出なくてはならない時間だ。
「アレシュ様!」
俺を探していたのか、廊下の向こうから、カミルが走ってくる。
それと同時にヴァルトルが空から戻り、腕にとまる。
「悪い。遅くなった」
「すぐに着替えて皇宮を出ましょう。ロザリエ皇女がアレシュ様とダンスを踊りたくて、ずっと探し回っていたんですよ!」
「なるほど。いなくて、正解だったな」
「不正解ですよっ。ずっと生きた心地がしませんでした!」
替え玉がいるとはいえ、別人だ。
なんとか誤魔化していたようだったが、限界だったらしい。
着替えを受け取り、ふと自分の手を見る。
「あの、アレシュ様。なにかありました?」
「いや。細い指だったなと思った」
そして、手は荒れていた。
農作業をしていたのも、花一つにあれほど喜んだのも、皇女らしい暮らしをしていない証拠。
第二皇女ロザリエがいるパーティーの広間は、夜空を焼くほどの光だというのに――楽隊が奏でる音楽が止む。
パーティーが終わり、招待客たちは皇宮を出なくてはならない時間だ。
「アレシュ様!」
俺を探していたのか、廊下の向こうから、カミルが走ってくる。
それと同時にヴァルトルが空から戻り、腕にとまる。
「悪い。遅くなった」
「すぐに着替えて皇宮を出ましょう。ロザリエ皇女がアレシュ様とダンスを踊りたくて、ずっと探し回っていたんですよ!」
「なるほど。いなくて、正解だったな」
「不正解ですよっ。ずっと生きた心地がしませんでした!」
替え玉がいるとはいえ、別人だ。
なんとか誤魔化していたようだったが、限界だったらしい。
着替えを受け取り、ふと自分の手を見る。
「あの、アレシュ様。なにかありました?」
「いや。細い指だったなと思った」
そして、手は荒れていた。
農作業をしていたのも、花一つにあれほど喜んだのも、皇女らしい暮らしをしていない証拠。