呪われた皇女の結婚~敵国に嫁がせていただきありがとうございます!~
『呪いを受けた兵士たちに、自ら調合した薬を渡しているそうですよ。兵士たちは日常生活を送れるまでになったんですって』
『なんてご立派な!』

 呪われた体でなければ……と、お姉さまを知る皇宮の人々は残念に思っていたけど、お父様とお母様は違う。
 その評判が、外へ出てしまっては困ると必死に隠していた。
 皇帝の威信を守るため、呪われた娘は皇宮から出てはいけないいし、評判になっても困る存在。

 ――出過ぎた真似をするから、お父様から嫌われるのよ。

 お姉様が目立つのは、その才能だけではなかった。
 ヴェールと手袋をしていて暑い時でも、その辛さを一切、顔には出さず、涼しい顔をしている。

『銀髪と青い瞳、白い肌は陶器のよう。まるで宝石のように美しい方!』

 私が重いドレスを引きずっていても、お姉様は背筋を伸ばし、凛とした姿で歩くのだ。
 隣にいるだけで、差がつく。
 そして、そんなお姉様に一番心を奪われていたのは、お兄様だ。

 ――でも、惨めに暮らして汚い服装のお姉様を見たら、お兄様も大事な妹は、私一人だけだって思うはず!

「ねえ、お兄様。シルヴィエお姉様に会いに行きたいわ」
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