呪われた皇女の結婚~敵国に嫁がせていただきありがとうございます!~
 私の畑仕事を手伝ってくれたり、重い石を運んでくれたりと、本当に助かっている。

「いやぁ~。通路に鈴をつけておいて正解でした」
「お兄様とロザリエが、まさかこちらへ来るなんて思ってませんでした。はぁ……。泥だらけで、みっともないところをお見せしてしまいました……」

 せめて、泥を落としてから二人と会うべきだったのに、間に合わなかった。

「でも、お兄様もロザリエも怒っていませんでした。心が広いですね」

 皇女が畑仕事なんて、もってのほか!
 なんて、言われるかと心配していたけど、言われずに済んでよかった……
 そんなことを思いながら、パン焼き窯に火をいれ、お湯を沸かしながら、隅っこに芋を置く。
 焼けた芋はすり潰し、小麦粉を混ぜて成形してから、パン焼き窯で両面を焼く。
 小麦粉は兵士たちからの差し入れで、届けてくれたもの。

「芋のお菓子ですか?」
「ええ。夜勤の人たち用の夜食です」

 平べったい芋のおやつは、ほんのり甘く優しい味がする。

「くっ! 俺は今日、日勤だ!」
「夜勤の奴、うらやましい!」

< 71 / 263 >

この作品をシェア

pagetop