呪われた皇女の結婚~敵国に嫁がせていただきありがとうございます!~
 おめでとうという雰囲気ではなく、お葬式みたいに沈んだ雰囲気になっていた。
 そんな中、明るい笑顔でお祝いを言ってくれたのは、ベテラン庭師のハヴェルだけだった。

「シルヴィエ様。おめでとうございます」

 相変わらず、黒もじゃの熊みたいなハヴェル。
 腕のいい庭師だけあって、贈られた花束はとても美しい花ばかりだった。

「ありがとうございます。幽閉生活を楽しく過ごせたのは、みなさんがいてくれたからです。今まで作った保存食ですけれど、よろしければもらっていただけますか?」

 兵士たちは泣き出し、ハヴェルは困ったように彼らを眺めた。

「外国に行き、色々なものをこの目で、じかに見られるのは嬉しいです。でも、ここが荒れると思うと残念ですね」

 二年の間に広くなった畑、パン窯、テーブルと椅子は訪れる人たちをもてなすため、数が増えて、小鳥の巣箱や水呑場も作った。
 そして、異国の人からいただいた(スニフ)の花は増え、土が見えないくらい花壇を白く埋めている。
 (スニフ)は薬にも使え、血行促進、鎮痛剤や風邪薬と、その用途は幅広い。
 
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