呪われた皇女の結婚~敵国に嫁がせていただきありがとうございます!~
 歴史ある石造りの建物、色鮮やかな草花。
 大きく育った街路樹は木陰を作る。
 そして、ドルトルージェ王国の伝統ある織物や焼き物を売る店。
 とても賑やかで、美しい。

「帝国に比べて雑多ですわね」
「ドルトルージェ王国は歴史ある古い王国だと、聞いておりますけど、私たちには合いません」

 帝国は戦争を仕掛けることが多く、都や町が戦火に晒された過去もあり、整然とした町が多いのが特徴だ。
 侍女たちはなにが気に入らないのか、文句ばかり言っていた。
 王宮の入り口では、国王陛下ご一家が揃って、出迎えてくれた。

「ドルトルージェ王国へようこそ」
「初めてのドルトルージェ王国はどうかしら? 気に入っていただけたらいいのだけど」

 国王陛下と王妃様、第二王子と思われる可愛らしい男の子もいる。
 ヴェールのせいで、表情がよく見えなかったけれど、私なりに挨拶をしようと前へ出た。

「出迎えていただきありがとうございます」

 王宮の中も歴史を感じる石造りの大きな建造物で、柱ひとつをとっても見事な彫刻が施されている。
 
「とても素晴らしい王宮と町の風景で、感動してしまっ……」
「失礼します」

< 93 / 263 >

この作品をシェア

pagetop