呪われた皇女の結婚~敵国に嫁がせていただきありがとうございます!~
 まだ挨拶の途中だというのに、侍女たちが私の前へ出て、立ち塞がった。

「シルヴィエ様はお疲れです。すぐにお部屋へ案内していただけますか?」
「お部屋を整え、シルヴィエ様を休ませます」
「病弱な御身でございますからね」

 侍女たちの大きな声が響く。

「歓迎会を用意してあるのだが」

 そう国王陛下が申し出てくれたのに、侍女たちはきっぱり断った。 

「結構です。シルヴィエ様は食事も帝国風のものをお好みです。コックも同行させました」
「身の回りの世話は私たちがいたします。どうぞお気遣いなく」

 国王陛下や王妃、幼い第二王子の顔が困惑しているのが、隙間から見えた。
 アレシュ様だけいない。
 私を迎えに来ていたというから、遅れて現れるのかもしれない。

「私はドルトルージェ王国の食事で構いません。好き嫌いはありませんし、食欲もばっちりあります!」

 侍女たちで見えないながらも、私はアピールする。

「本人はそう言っているが?」
「気のせいですわ」
「気のせいなどではっ……」
「さっ! こちらです! シルヴィエ様っ!」

 大勢の侍女の意味がようやくわかった。
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