30歳まで✕✕だった私はどうやら魔法使いになったようです
「うん、わかってる」
麻子に手を振り、もうひと踏ん張りだとパソコン画面を見つめる。

頑張って仕事をしたからか、とりあえず昨日の遅れを取り戻すことはできた。

普段からこれくらい集中して仕事をしていれば、もっと早くに仕上げることができるのかと改めて感じた。

でも、毎日同じように仕事はできない。
体調を崩す時もあるし、気分が乗らなくてどうしても先へ進めないときだってある。

結局はその時々のペースで頑張っていくしかない。
「コーヒーでも飲もうかな」

つぶやいて席を立つ。

会社内に置かれている豆を勝手にブレンドして飲んでいるのは美加くらいなものだろう。

だけどそれが美加の楽しみのひとつでもあった。
軽い気持ちで給湯室のドアを開けたそのときだった。
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