レンタル姫 ~国のために毎夜の夜伽を命じられた踊り子姫は敵国の皇帝に溺愛される~
「お姉さま、いつまでそこにいらっしゃるおつもり? さっさと出て行きなさいな! それとも結局お姉さまも素敵な殿方がお相手であれば抱かれたいと、そう思われていらっしゃるの? 偉大なるリゼレスナ帝国皇帝陛下を前にして、なんと身のほど知らずな。清楚なふりしてその実浅ましくていらっしゃる。血は争えないですわね」
(お母様を侮辱しないで!)
憎たらしい笑顔を思わず叩いてしまいそうになる。その手にぐっと力を込めて、手のひらに食いこむ爪の痛みで冷静さを取り戻す。
いつもなら、ここまで妹の煽り文句に反応などしない。しかしいつまでも賓客を待たせているという不安、そして媚薬を飲まされて熱に侵されているせいか、簡単に心が揺らいでしまう。
(だめよ、みっともなく声を荒らげては。激情に駆られてはいけないって、お母様がおっしゃっていたもの……!)
奥歯を食い縛り、握り締めた手に力を込める。何度も肩で息をして、辛うじて怒りをやり過ごす。
感情を抑えこむノツィーリアを見てディロフルアがふん、と鼻で笑った。
「まったく、いつまで食い下がるおつもりなんですの? ルジェレクス様のことは諦めなさいな。お姉さまの魂胆は知れておりますわ。ルジェレクス様にうまいこと取り入って、娶っていただこうなんて画策していらっしゃったのでしょう?」
「私は、この国の役に立てるならばと覚悟を決めて参ったのです。そのような浅薄な思いでこの場に臨んではおりません」
ノツィーリアは客人に向き直ると、体の前で両手を重ねて深々と頭を下げた。
「お見苦しいところをお見せしてしまい、大変申し訳ございません、ルジェレクス皇帝陛下」
おそるおそる顔を上げて、敵対国の皇帝とまっすぐに向き合う。
睨み付けられただけで、今にも殺されるのではないかと思うほどの強烈な眼光。緊張感に襲われる中、視線を逸らすなどという無礼を働くわけにもいかず、息を詰めてどうにか目を合わせ続けた。
(お母様を侮辱しないで!)
憎たらしい笑顔を思わず叩いてしまいそうになる。その手にぐっと力を込めて、手のひらに食いこむ爪の痛みで冷静さを取り戻す。
いつもなら、ここまで妹の煽り文句に反応などしない。しかしいつまでも賓客を待たせているという不安、そして媚薬を飲まされて熱に侵されているせいか、簡単に心が揺らいでしまう。
(だめよ、みっともなく声を荒らげては。激情に駆られてはいけないって、お母様がおっしゃっていたもの……!)
奥歯を食い縛り、握り締めた手に力を込める。何度も肩で息をして、辛うじて怒りをやり過ごす。
感情を抑えこむノツィーリアを見てディロフルアがふん、と鼻で笑った。
「まったく、いつまで食い下がるおつもりなんですの? ルジェレクス様のことは諦めなさいな。お姉さまの魂胆は知れておりますわ。ルジェレクス様にうまいこと取り入って、娶っていただこうなんて画策していらっしゃったのでしょう?」
「私は、この国の役に立てるならばと覚悟を決めて参ったのです。そのような浅薄な思いでこの場に臨んではおりません」
ノツィーリアは客人に向き直ると、体の前で両手を重ねて深々と頭を下げた。
「お見苦しいところをお見せしてしまい、大変申し訳ございません、ルジェレクス皇帝陛下」
おそるおそる顔を上げて、敵対国の皇帝とまっすぐに向き合う。
睨み付けられただけで、今にも殺されるのではないかと思うほどの強烈な眼光。緊張感に襲われる中、視線を逸らすなどという無礼を働くわけにもいかず、息を詰めてどうにか目を合わせ続けた。