レンタル姫 ~国のために毎夜の夜伽を命じられた踊り子姫は敵国の皇帝に溺愛される~
ずっと体が火照っているせいで薄着であることをノツィーリアはすっかり忘れていたのだった。お務めに臨む際、男性を誘惑すべく着せられた、透けた生地でできた寝衣。
そこでノツィーリアは、自身がはしたない格好をしていることを思い出した。慌てて自分を抱き締めるようにして胸を隠し、皇帝に背を向けてシーツの上にうずくまる。
「お見苦しいものをお見せしてしまい、大変申し訳ごさいません!」
「見苦しいものか! 見ていて良いならばいくらでも……」
「!?」
信じがたい言葉に目を見開いて振り向けば、口を押さえたルジェレクス皇帝が素早く顔を逸らす。
「すまぬ、売りに出される覚悟を決めたそなたに抱くべき感情ではなかった。非礼を詫びよう」
「いえ、先に非礼を働いたのはこちらです。本当に申し訳ございません」
すぐさま手を下ろした皇帝が、何かを言おうとして口をつぐむ。これ以上詫びの応酬を続けてもきりがないと判断したのだろう。
父王と対峙していたときの冷静さはどこへやら、動揺した様子を見せる皇帝にノツィーリアも釣られてどきどきしてしまう。心拍数が上がれば媚薬の効果が全身を巡り、肌が汗ばみはじめる。
(こんなにみっともない格好をしているのに、皇帝陛下は『見たい』とおっしゃってくださった……?)
冷徹皇帝らしからぬ赤面と、落ち着きをなくした態度からしておそらく本音を口にしたものと思われる。しかしノツィーリアは、皇帝が自分に対してそこまで興味を寄せてくれる理由がさっぱり思いつかなかった。
奇妙な静寂が訪れる中、ノツィーリアが一度は返そうとしたガウンで胸を隠していると、不意にルジェレクス皇帝が顔を近づけてきた。
「ノツィーリア姫」
「は、はいっ」
「随分と顔が赤いようだが具合が悪いのか? つらいようならば、医官を呼ぶが」
「……!」
そこでノツィーリアは、自身がはしたない格好をしていることを思い出した。慌てて自分を抱き締めるようにして胸を隠し、皇帝に背を向けてシーツの上にうずくまる。
「お見苦しいものをお見せしてしまい、大変申し訳ごさいません!」
「見苦しいものか! 見ていて良いならばいくらでも……」
「!?」
信じがたい言葉に目を見開いて振り向けば、口を押さえたルジェレクス皇帝が素早く顔を逸らす。
「すまぬ、売りに出される覚悟を決めたそなたに抱くべき感情ではなかった。非礼を詫びよう」
「いえ、先に非礼を働いたのはこちらです。本当に申し訳ございません」
すぐさま手を下ろした皇帝が、何かを言おうとして口をつぐむ。これ以上詫びの応酬を続けてもきりがないと判断したのだろう。
父王と対峙していたときの冷静さはどこへやら、動揺した様子を見せる皇帝にノツィーリアも釣られてどきどきしてしまう。心拍数が上がれば媚薬の効果が全身を巡り、肌が汗ばみはじめる。
(こんなにみっともない格好をしているのに、皇帝陛下は『見たい』とおっしゃってくださった……?)
冷徹皇帝らしからぬ赤面と、落ち着きをなくした態度からしておそらく本音を口にしたものと思われる。しかしノツィーリアは、皇帝が自分に対してそこまで興味を寄せてくれる理由がさっぱり思いつかなかった。
奇妙な静寂が訪れる中、ノツィーリアが一度は返そうとしたガウンで胸を隠していると、不意にルジェレクス皇帝が顔を近づけてきた。
「ノツィーリア姫」
「は、はいっ」
「随分と顔が赤いようだが具合が悪いのか? つらいようならば、医官を呼ぶが」
「……!」