スパダリ航海士は契約妻を一途に溺愛する。





 お兄ちゃんはそんな一撃を言うと、すぐに黙ってしまった。その後、夕食をみんなで囲んで食事をした。
 食べ終わって片付けをしていると「百々芭、電話鳴ってるよー」とお兄ちゃんに言われてスマホを受け取り電話に出た。


「……もしもし、坂本です」

「あ、もしもし。篠原です。昨日はありがとうございました」

「いえ。そんな、こちらこそ来てくださってありがとうございました。今日も来てくださったと聞いてます……」


 そんな丁寧な言葉で、定型文のような会話を交わした。


「今、お時間大丈夫ですか? お話が、したくて」

「大丈夫です。少し待ってくださいね」


 私はそう言いながら、リビングから出て自室に戻り「大丈夫です。話」と彼に言った。
 ベッドに座って話を聞く大勢になる。


「ありがとう。頼みたいことがあって……君に頼みたいことがあります」


頼みたいこと……?


「一日だけで構わないのだが、僕の婚約者に、なってくださいませんか?」


 ……彼は意味のわからないことを頼んできた。






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