スパダリ航海士は契約妻を一途に溺愛する。
4.パーティードレス



 実家から戻ってきてすぐ、私は篠原さんにまずは一度会いましょうと言われて彼が今滞在しているホテル唐橋のグループの一つのレストランに来ていた。

 その中にあるレストランでモダンなイタリア料理が食べられるお店……店内はとてもお洒落だ。


「すみません、来ていただいて。迷いませんでしたか?」

「はい。大丈夫です、一度だけ来たことがあったので迷いはしなかったです」

「良かった。僕は初めてなんだ。友人がここがおすすめだと教えてもらって」

「そうなんですね」


 友人に勧められてここに来れちゃうあたり……相当なエリートよね。
 だってここのディナーって、二万以上はするって聞いたことある。


「……話をする前に、食べようか」

「は、はい」


 彼の声で料理が順に運ばれてきた。
 メニューないとか聞いてない。お金、足りるかなぁ……心配になりながらも、もう今はせっかくの料理を楽しもうと思い目の前にある前菜を食べ始めた。


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