名ばかりの妻なのに、孤高の脳外科医の最愛に捕まりました~契約婚の旦那様に甘く独占されています~【極甘婚シリーズ】
髪を乾かし終わった雛未は気分を変えようと、居間のテレビをつけた。
九時前のこの時間帯なら、テレビドラマが始まる前だ。
絶賛放送中のサスペンスドラマには、主演として演技力に定評のある若手俳優が起用されており、毎回迫真の演技がSNSの話題に上がっている。
リアルタイムで視聴し感想を共有するのが、雛未の密かな楽しみなのだ。
放送が始まる前からチャンネルを合わせておき、ミネラルウォーターを飲みながら、テレビの前でスタンバイする。
ドラマの前に放送される時事ニュースをぼんやり眺めていた雛未は、あるテロップがテレビに映し出された瞬間、危うくペットボトルを床に落としそうになった。
『若狭國治副総理、意識戻らず』
今日何度も頭の中に思い浮かべていた名前が、目にとまり画面に釘づけになる。
「わか、さ……くに、はる……!?」
雛未の驚きなど知らないアナウンサーは、淡々と原稿を読み上げていった。