名ばかりの妻なのに、孤高の脳外科医の最愛に捕まりました~契約婚の旦那様に甘く独占されています~【極甘婚シリーズ】
(なるほどね)
つまり、雛未がこうやってチラチラ見られている理由は、半分は単純な好奇心で、半分は嫉妬ということか。
御曹司の結婚は、ベリが丘病院の職員にとって、よほどセンセーショナルな話題だったらしい。
二人の結婚話が順調に広まっている証でもある。
婚姻届を提出した甲斐があるというものだ。
「ねえ、茉莉さん。不破先生って病院ではどんな感じなの?」
雛未はついでとばかりに、その後も茉莉に病院での祐飛のことを色々と聞かせてもらった。
雛未は知らなかった祐飛のこれまでの経歴も明らかになった。
祐飛は三十二歳、射手座のA型。
私立大学の医学部を卒業した後、脳神経外科のスーパードクターと名高い名医の下で何年も研鑽を積んだ。
脳神経血管内治療の専門医の資格を取得した後、一年前にベリが丘に戻り、今では脳神経外科の若きエースとして活躍している。
祐飛の評判は概ね良好で、他の病院では治療が難しいと匙を投げられた患者を受け入れることもある。
祐飛がやって来てから脳神経外科の手術件数は徐々に増え、評判は上がっているという。
浮いた噂もなく医療の道に邁進する祐飛は、誰もが理想とする次期院長先生像だった。