名ばかりの妻なのに、孤高の脳外科医の最愛に捕まりました~契約婚の旦那様に甘く独占されています~【極甘婚シリーズ】
カウンターに座った初日はまず午前中の内に、茉莉から受付カウンターでの仕事とアテンドの仕事の手ほどきをしてもらった。
面会時間が始まる午後一時になると、順番に面会者がやってくる。
教えてもらった通りに業務をこなしてた、午後三時頃、見覚えのある女性が受付カウンターまでやってくる。
「こんにちは」
「貴女は……。祐飛くんの奥様?」
先んじて挨拶をすると、純華は目を瞬かせ驚いていた。
「十日前から、こちらで働いているんです。この受付カウンターには今日から」
「そうなんですか?全然知らなかった……!」
知らないのは当然のことだ。
祐飛が雛未のことを純華に知らせるほど、マメとは思えない。
「面会を希望される方の患者IDと予約番号を伺ってもよろしいですか?」
純華が告げた患者IDをキーボードで打ち込むと、『若狭國治』の名前がノートパソコンの画面に映し出された。
雛未は動揺を悟られないように、型通りの案内を始めた。