まどろみ3秒前
「俺らもカップルみたいにしてみる?」
「へ?」
「はい、あーん」
生クリームをスプーンで掬って私の口に近付けてくる。
いやそれ、終盤のやつだし。普通、序盤の生クリームを差し出すんじゃないのか?いや、その前に、朝くんのスプーンでだ。
悩んだ末に、私は朝くんの差し出してくる手首を掴んで、朝くんにスプーンの方向を返した。が、朝くんの方も簡単には諦めてくれないらしい。
ぐぬぬ…と2人で力のやり合いが始まったが、我に返って、笑ってしまった。
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朝くんがやっとのことパフェグラスを空にした。私達は会計をして店を出る。
「え、待ってもうこんな時間?」
朝くんがスマホを見て呟いた。時間なんて忘れていた私は、「ん?」と覗き込む。5時27分が表示されている。
「やばいやばい!安眠グッズ安眠グッズ!」
焦る朝くんの表情が、なんだか寂しく思えた。私の体内時計が狂っているせいだろうか。5時、と聞かされても焦ろうともゆっくりとも、何も思わない。
「…焦ってる?」
「いや焦る。だって安眠グッズ買って色々して時間なんかすぐ夜が来ちゃうし…」
朝くんは、きっと心配している。夜までには、私を家に帰そうとしてくれているのだ。
「あ、いいこと思い付いた」
朝くんは嬉そうに、「ちょっと待ってて」と言って、ふらりとどこかへ行ってしまった。