まどろみ3秒前

「ぷはぁー食べた食べた」


お腹を擦りながら私はソファに飛び込む。食べ過ぎて明日には胃もたれしそうだ。まあどうせ、私は明日起きないからいいけど。


「翠」


お母さんがこれから言うことが、私にはわかった。私は立ち上がって、頷いた。








まとめてみると意外に少ない。眠るために病院へ行くんだから、特に、暇潰しの物や洗顔料など必要なかったからだ。

四つ葉のクローバーは絶対に持っていきたいところだが、どうしようかと悩んでいた。


「姉ちゃん、それ持ってくの?」


扉から顔を出した累の目線の先は、花瓶に座した大きな四つ葉だった。


「……持って、いきたい」

「俺が持ってくよ」

「…え?いやだったらお母さんに」

「いい。お母さんはお母さんで病院の人となんか手続き?とかするだろ?暇だし、俺が持って行くよ」


累も、私を見届けたいと思ってくれているのかもしれない。そう思うと、どこか胸が温かくなった。

累も、私のこと待っててくれてるんだな…
< 307 / 407 >

この作品をシェア

pagetop