まどろみ3秒前

でも…お腹が鳴ったのに、彼は何も言わずに四葉のクローバーを私にくれた。

そういう優しさは温かい気持ちになる。胸の中がドキドキと鳴ったのはした、かな。


「まあ、そんなに頭のよろしい翠さんが授業に戻りたいなら、仕方ないか。んじゃー、腹ペコ翠さんさよーなら」


うっ…と私はしてやられたような気持ちになった。彼は私に背を向けた。


「また」


…また?また、来るのだろうか。


「待ってるから、ずっと」

「…え、」


なに、急に。なんか、なんか…


「俺と死ぬまで、死ぬなよ?」


朝くんは、こっちを向いてくれない。初めて、背を向けられた気がする。


「…ん、死なない」


私は、空の方に咲く四葉を、折れないようにまた、握り締めた。


四葉も、悪いもんじゃないと思えた。三葉も綺麗だけど、見つけてくれた四葉は、本当に、幸せをくれる気がした。








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