まどろみ3秒前
悪いけど、早く出ていってくれ。そんな気持ちだった。笑みを浮かべてお母さんに向き合う。
「…病院、行く?一応ね」
なんだ、病院の誘いか。気が少し緩んだ。
「ううん、いい。別に、前と同じでしょ」
「いや、一応よ」
「ううん、大丈夫。全然元気だから。また次、これくらい寝ちゃってたら行くよ」
「…そう?じゃあ、様子見でいいか」
納得したように、お母さんはリビングへ戻っていった。病院なんて、行かなくていい。あの悲劇のヒロイン気取りの医者しかいない。
あーあ、朝くんと、連絡でも交換しとけばよかったかもしれない。
人と連絡先を交換するなんて、本当は好きじゃなかった。スマホで人と繋がるなんて、疲れるしずっと見られている気がして嫌いだ。でも、朝くんだけは、連絡先を交換したいと思った。
それは、連絡のために。プロフィール画像どんなのかな、猫かな。なんて気になってもいない、別に。どうだっていいが、連絡できるし、連絡先は交換しとけばよかったな。
―今日も、夜が来る。
大嫌いな、夜だった。
そして、来るのは大嫌いな、朝。
朝に起きても、昼を生きても、夜に眠っても、全て嫌い。私の味方は、いなかった。